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オリンピックの身代金 [本]

kindleでの読書が便利、快適。AppleTV同様にドンドンとポチっちゃいそう。
けどね、kindle、品揃えが悪すぎだよ、もったいない、そして価格ももっと下げた方がいいんじゃない?

で、今回読んだのは奥田英朗さんの「オリンピックの身代金」。
さすが、奥田さん、面白い!!

昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていない。そんな気運が高まるなか、警察を狙った爆破事件が発生。同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届けられた!しかし、この事件は国民に知らされることがなかった。警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、一人の東大生の存在が捜査線上に浮かぶ…。「昭和」が最も熱を帯びていた時代を、圧倒的スケールと緻密な描写で描ききる、エンタテインメント巨編。

実際にこの時代を生きた人が読んだら、生き生きと描かれたオリンピック前夜の東京、そして日本の情景に思わず唸ること間違いなしじゃないかと思う。
作者が緻密に、そして入念に取材したことが伺えて本当に臨場感がある。

ただ、この作品はエンターテイメントとして素晴らしいだけではなく、作中に当時の日本の東京と地方の格差問題をからめることで、また現代のそれを暗にテーマとすることで社会の底辺で生きる人の悲哀を描いている。働けども働けども貧しいままの秋田の農村出身者たち、当時の地方格差は、いまでも変わぬ部分もあるだろうし、さらに現在ではその格差はあたかも隠蔽されているが、新たな階級社会の出現をも想起させる。


この本を読んで直ぐに思い出したのは、垣根涼介さんの「ワイルド・ソウル」だ。
国家の政策でブラジルに移民した日本人のその後、あてがわれた未開の地での開拓は過酷を極める。これはまさに移民政策ではなく、それは棄民政策であった。その末裔が日本に一矢を報いようとする姿は、「オリンピックの身代金」の島崎の勇姿に重なる。


「オリンピックの身代金」と「ワイルド・ソウル」これは是非合わせて読んで欲しい。
どちらも面白すぎていっき読破してしまいます。

オリンピックの身代金 上 (角川文庫)

オリンピックの身代金 上 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2011/09/25
  • メディア: Kindle版



ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)

ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 垣根 涼介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 文庫




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nice!(20)  コメント(2) 
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toyo

nice!の押し逃げばかりでごめんなさい。
どうかツヨ 様にいいことが来年もたくさん
ありますように。良い新年をお迎えください。
by toyo (2012-12-31 14:22) 

ツヨ

toyo さん
こちらこそです。来年もよろしくお願いします。
by ツヨ (2012-12-31 20:55) 

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