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日本の殺人 [本]

読書の秋、第二弾。

法社会学者である河合幹雄氏の「日本の殺人」を読み終えた。

これは凄い本だ。 これは面白くて一気に読み進めてしまう。

内容はタイトルの通り、「日本の殺人」に焦点をあて事細かにあらゆる角度から解説を加えているもので、これを読めば、今まで気付かなかったニュースの嘘を理解することができるし、なんとなく疑問に思っていたことが解決されたりと、「殺人」そして「死刑」という一大テーマに正面から向き合える。
とても、とてもお薦めの本だ。

一例として、、、マスコミがよく使う表現としての「少年たちによる残虐な事件が相次いでいます。」この「相次いでいる」というのは、あたかも事件が増加傾向である印象を受けさせるが、その実、「増加している」とは言えないから「相次いでいる」という言葉を使っているのだ。つまり「相次いでいる」とマスコミが言った時は、それは「増加していない」「減少している」と捉えて良い。

なるほどですね〜。

刑法学上、素手のけんかは殺意なく傷害致死。

あと少年は死刑に出来ないというのも誤解である。事件当時に未成年であった犯人は、確かにその時には死刑にならないが、その少年が成年に達すれば死刑には出来るのだ。法律的に死刑執行時に未成年であってはならないだけなのですね。

あと、無期刑を受けた人も仮釈放されて結婚すると、なんと「刑の執行の免除」を受け、無期刑者ではなくなるということもある。これが恩赦というやつですね。
通常は無期刑者は仮釈放されtも永遠に仮釈放状態なのだけれど、このように「良き家庭」を築くと恩赦してもらえるのです。(本書はこういった事例で「へ〜」と思わせるだけでなく、その理由の解説が秀逸だから素晴らしい)

などなどいろいろ開眼させらる部分が多々ある。

そして最後に示される著者の「死刑」に対する態度もとても感銘をうけるのだな。

とにかく素晴らしいバランス感覚で、丁寧に、そして真摯に、ときには大胆に「日本の殺人」について語り尽くしてくれています。

この本は図書館で借りたのだけど、こりゃ「買おう!」って思わせます。

あと、この辺のテーマ関連本としては、本書でも登場するが、森達也氏の「死刑」と原田正治氏の「弟を殺した彼と、僕。」あたりを合わせて読むとさらに奥深く考えさせられます。

日本の殺人 (ちくま新書)

日本の殺人 (ちくま新書)

  • 作者: 河合 幹雄
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 新書



死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う

死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う

  • 作者: 森達也
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 2008/01/10
  • メディア: 単行本



弟を殺した彼と、僕。

弟を殺した彼と、僕。

  • 作者: 原田 正治
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 単行本


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コメント 2

名犬ゴン太・・・の兄

興味深い本ですね。
うむむ・・・
近所の図書館に行って探してみようかな^^;
でも、自分で買った本も早く読み終わらせないと・・・orz
by 名犬ゴン太・・・の兄 (2011-09-30 00:20) 

ツヨ

これは今年一番の収穫いってもいい良本なので、是非読んでみてください(^-^)/
by ツヨ (2011-09-30 08:23) 

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